小林と過ごす日常

面白いと思う人には面白いらしいです。

チキンラーメン

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お疲れ様です。

 

小林です。

 

高円寺のラーメン屋を出て、店のベンチで一服していると、

白人の女性と日本人のおばさんが通りかかって、店頭のメニューとにらめっこ。

 

う〜んと悩んだ挙句、日本人のおばさんが小林に質問をしてきました。

「この店のラーメンって...チキンラーメン、チキンベースでしょうかね?」

 

「いやぁ、魚介でしたね〜」

 

「...そうですよね。ありがとうございます。」

 

すぐさま、白人の女性に報告するおばさん。

白人の女性はその事実を受け止め、菩薩のような穏やかな、しかしどこか切ない表情でおばさんと共に去って行きました。

 

考えてみると、世のラーメン屋はチキンベース、チキンラーメンで売り出しているお店を見た事がない気がします。

 

その最たる理由が「あの」チキンラーメンにあるのではないかと小林は考えます。

 

チキンラーメン、あの愛くるしいキャラクターとお手軽すぎる価格から市民権を得ているロングセラー商品です。

 

しかし、即席ラーメンが発達したこの21世紀。湯をかけて3分も待てば満足できるクオリティのラーメンに舌鼓を打つ事が出来る現代です。

 

そんな中、チキンラーメンのそのクオリティは

そのようなラーメンと比べると軽く3,4段階は劣っています。

 

しかし、それは仕方のない事でもあります。

チキンラーメンが誕生したのは僕らが生まれる遥か昔、

1958年という日本が復興から本格的な高度経済成長期をまさにこれから迎えるという時期に誕生した商品であるからです。

 

そんなクオリティが低いとは知りつつも、あのCMで卵を乗せた姿を見ると無性に食べたくなります。

美味しくないとは知りつつも僕らは冒険に挑み、そしてやっぱり美味しくないという確認、旅の終わりを迎えます。

 

そんな強いイメージがついている事から、チキンラーメンがお店のメニューにないのではないかと思います。

 

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実際に「チキンラーメン」で画像検索をしてみると、「あの」チキンラーメンしか検索に出てきません。

 

この検索結果を目の当たりにし、小林は巨大な利権の力を実感しました。

 

あの白人の女性も異国目線でそんなチキンラーメンの在り方、現状の立ち位置に対してクエスチョンを抱いたのでしょう。

「何故日本人は美味しくもないチキンラーメンを購入する?本当に美味しいチキンラーメンはあるのではないか?」

 

そうして彼女の研究、旅は始まりました。

 

しかし、その研究は彼女の想像を越えるくらい過酷なものとなりました。

 

チキンラーメンが見つからない」

 

あのチキンラーメン以外のチキンラーメンを見つける事が出来ないのです。

 

多様化が進んだ現代において、何故他のチキンラーメンはないのか?彼女も日本の社会が抱える闇を感じているのかもしれません。 

 

折れかけた彼女の研究。

「あぁ、母国に帰ろうか....」

そんな気持ちになっていたはずです。

 

そんた時、あの日本人のおばさんがそんな彼女の研究を支える現地支援者として手を挙げたのです。

 

「さぁ、次の街へ行こう」

 

彼女達の旅はまだ終わらない、可能性がある限り。

 

小林