小林と過ごす日常

面白いと思う人には面白いらしいです。

小林と叔父

お疲れ様です。

小林です。

 

小林家の田舎はTHE農村地帯、

これぞ農村地帯というような農村地帯です。

 

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毎年収穫の時期になると貴重な人出として

小林家の人間は田舎へと向かい、畑仕事を手伝います。

 

そんな毎年の手伝いですが、

小学5年生の時、叔父さんの畑仕事を手伝っている最中にアシナガバチに首を刺されました。 

 

「人生初の衝撃 ハチの痛み」

 

有刺鉄線が刺したような、

耐え難い痛みに苦しむ小林少年。

 

そんな時、パニック状態に陥った小林少年を

救う神の一声が。

 

「おい、しゃがめ!そして目をつぶれ!」

 

そう声をかけてきたのは他でもない叔父さんでした。

 

(何かしてくれるのか?叔父さんなら、叔父さんならきっとなんとかしてくれる...!)

 

そう思った小林少年はすかさずしゃがみ、

そして目をつぶりました。

 

小林の叔父さんは頼り甲斐のあるナイスガイであり、

困った時には何とかしてくれる、

そんな頼り甲斐のある叔父さんでした。

 

「おしっ、いくぞ...!」

 

その刹那、小林少年の首筋に温かい液体物がかけられました。

 

(これは何だ?薬?あの一瞬で?いや、叔父さんなら準備しててもおかしくはない!ありがとう!)

 

感謝する小林少年。

 

しかし...何だかおかしい。見覚えのある匂いがする。

 

(これ...もしかしておしっこ?いや、そんな訳ない!叔父さんありがとう!)

 

「終わったぞ〜、よし!応急手当はおしまい!病院に行こう!」

 

「イチチ...はい、ありがとうございます!」

 

軽トラに乗せられ病院に向かう小林少年。

 

(やっぱり叔父さんはすげぇや!俺もこんな人になりたい!)

 

病院に着いた2人は医者に事情を説明しましたが、

医者の関心は患部よりも小林少年から匂う異臭にあったようです。

 

「失礼だけど、この匂いは...君かな?」

 

「はい、患部に応急処置として俺の尿をかけておきました!

 

叔父さんの爆弾発言に診療室は静寂に包まれました。

 

静寂に包まれすぎて、医者の額についている

「アレ」がパリーンと割れそうな程だった事を記憶しています。

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(え、尿?おしっこ?)

 

そう、あの時僕の首筋を伝った温かい液体物とは

叔父さんのおしっこだったのです。

 

小林家の田舎では

「蜂に刺されたらそこに小便をかけろ」という迷信が信じられており、

叔父さんはその迷信に忠実に従ったのでした。

 

「アンタ!何してんの!頭おかしいんじゃないの!?おかしいよ!」

 

「あのなぁ〜俺だってガキの時に刺されたら叔父さんに小便かけてもらって治したぞ!」

 

「そんな訳ないでしょ!冷静に考えなさいよ!尿は汚いの!それかけたらダメでしょ!しっかりしなさいよ!」

 

冷静になって2人の話を聞いていましたが、

どう考えても医者の意見の方がまっとうである事はさすがの小林少年でも感じ取る事ができ、

 

小林少年の中で叔父さん=ナイスガイという

概念がどんどんと崩壊していきました。

 

「あ〜もうだから臭い訳だ!君!シャワー浴びてきなさい!その後処置するから!」

 

「小便は悪くねぇ...悪くねぇ...」

 

自分のアイデンティティを保とうとしているのでしょうか、ボソボソと呟く叔父さん

 

そこには威厳もナイスガイの欠片も感じない、ただの親戚のおじさんでした。

 

それもそのはず、数時間前まであんなに輝いていた叔父さんが、

すっかり小便の魔物に取り憑かれたモンスターと化してそこにいるのですから。

 

この事件をすっかり忘れていましたが、

つい最近叔父さん尿路結石になったと

田舎から連絡が入った為に思い出しました。

 

 

小林